- ことばの種
おかわり ちょうだい!
お食事中に立ち歩いてしまう子どもっていませんか?
嬉しいはずのお食事中に立ってしまうのは、どうしてでしょう?
そらチームのAちゃんは、少し食べるとフイッと席を立ってしまいます。
保育室隅の絵本コーナーに行って絵本を読んだり、ゴロゴロしたり…。
でも、ご飯🍚を見せて誘うと、席に戻って座れます。
「ごちそうさま」を促すと、怒る時もあります。
まだ食べたいのに、席を立ってしまうのは、なぜなのかな?
ひょっとして「おかわりが欲しいよ」と伝える方法がわからなくて、困っているのかな?
そこで、「おかわり ちょうだい」の絵カードを作ってみました。
席を立ちそうなタイミングで、カードを見せ、空いたお皿におかわりを盛ります。
このやりとりに慣れたら、今度はAちゃんにカードを手渡し、そのカードとお代わりのお皿の交換を促します。
Aちゃん、このやりとりをとてもスムースに受け入れてくれました。
2〜3日のうちに、「カードを渡すと、おかわりをもらえる」と気付き、自分からカードを使って「おかわり、ちょうだい」と伝えてくれるようになりました。
そして、「おかわりが欲しいよ」と、確実に伝わる手段を得たことで、Aちゃんが給食中に保育室をさまよい歩くことは無くなりました。
今では、近くに職員がいなくても、側に来てくれるのをカードを持って座って待ってくれています。
なかなか気づいてもらえない時には、怒ることなく、自分からカードを持って来て、「おかわり、待ってるんだよ」と伝えることもできます。
大人が困ったなと思う子どもの行動には、子ども自身の「困ってるの❗️」という訴えが隠れていることがあります。
その気持ちを読み取ってあげられれば。
子どもの思いを伝えるための方法を用意することができれば。
「困った行動」の軽減につながるだけでなく、更なる成長への手がかりとなることがありますよ。
ただし、気に留めておいて欲しいことがあります。
Aちゃんの場合は、以前から色々な場面で絵カードを使用し、ある程度、成功していたこと。
職員間で状況を共有し、対応を統一したことで、Aちゃんが安心して新しい絵カードや、使い方を受け入れることができたこと。
更に、Aちゃん自身のコミュニケーション能力や意欲が十分に育っていたからこそ、短期間で身につけることができたのだということです。
もし、お子さんに同じ方法を試して、すぐにうまくいかなくても、大丈夫。
お子さんが悪いわけでも、パパやママが悪いわけでもありません。
何に困っているのかな?
どうしたらいいかな?
その方法が成功する下準備は、どんなことかな?
一緒に考えていきましょう。
文責:児童発達支援センター伊予くじら ST