児童発達支援センター伊予くじら 社会福祉法人くじら児童発達支援センター伊予くじら

ブログ

  • ことばの種

「うるさーい!」

「うるさーい!」

時々かんしゃくを起こしてしまう、Aちゃん。

「かんしゃく」というか…、その場面での望ましい振る舞いがわかっていて、でも、そうしたくなくて。

だけど、「ちゃんとできる」自分でありたくて…。

なんとか自分の気持ちに折り合いをつけようと、煩悶(はんもん)しているように見えます。

最近のAちゃんは、思いが叶わない時、最初は「イヤだ、やらない!」「でも、したくないんだ」と、ことばで訴えながら、怒ります。

そして、どうしても叶わないのだとわかると、今度は「うるさい!」「静かにして!」と、職員の声かけが受け入れにくくなるようです。

良くない行動、乱暴なことばだと思いますか?

…もう少し柔らかい表現になったらより望ましいですが、このAちゃんの「うるさい!」、決して大人に反抗しているわけではないんですよ。

子どもがかんしゃくを起こしている時、なだめたり、さとしたりするために、矢継ぎ早に声をかけてしまうことがあります。

ですが、「〜したい!」「イヤだ!」という思いでいっぱいになって、混乱してしまっているところに、たくさんのことばをかけられると、そのことが刺激となり、ますます混乱してしまいます。

(大人の場合でも、すごーく忙しくて「テンパって」いる時に、話しかけられると、内容が頭に入らなかったり、イラっとしたりしませんか?)

ともすれば「反抗的」「ことば遣いが悪い」と捉えられかねない、Aちゃんの「うるさい!」

Aちゃんが、自分で気持ちを整理しようとして(このこと自体も、とてもエラいと思います。)、大人の声かけがその妨げになることに気づいたからこそ、出てきたのでしょう。

実は、Aちゃんの成長がうかがえる、すごいことばなんですよ。

今回の記事で言いたいのは2点。

①声かけは、短く、少なめに。

 言語習得のための「ことばのシャワー」は大切ですが、かんしゃくを起こしている時には、かえって混乱してしまいます。

 安全が確保できる状況なら、少し離れて黙って見守ることが有効な場合もありますよ。

②「困った行動」は、本当に問題?

 一見良くない行動に見えても、その子なりの理由があることがあります。

 愛情を持って観察し、なぜ、その行動をするのか?本当はどうしたいのか?を、大人が見つけてあげると、解決につながることがありますよ。

…とはいえ、その子自身にも、どうしたいのかわかっていないこともありますから、本人ではない私たちがそれを読み取るのは、難しいこともあります。

困っていること、気になる行動があれば、ぜひ、私たちに教えてください。

お子さんの気持ちや、その時の状況を整理して一緒に考えていきましょう。

一覧へ戻る