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「シ」と「ツ」は、大体一緒じゃない?

「シ」と「ツ」は、大体一緒じゃない?

大人になってから、ひょっとして子どもの頃の私は、ディスレクシア(読み書き障害)の要素があったんじゃない?と指摘されることがありまして…。

私、文字が読めるようになるのは、とても早かったんです。

正確な時期は覚えていないのですが、少なくとも、年中の頃には、母の蔵書の文庫本(ふりがな付きの民話や神話など)を、自分で読んでいました。

漢字は、むしろ得意です。

それなのに、ディスレクシア(読み書き障害)?と、腑に落ちなかったのですが、最近、思い出しました!

小学1年生の国語のテストで、初めて、最後まで問題を解けなかった日のことを!

もともと字が下手で、時々鏡文字(左右反転)になったり、「書く」ことにひどく時間がかかったりする悩みはあったのですが、カタカナの学習で、ひどくつまずいたのです。

だって、カタカナの「ツ」と「シ」って、ほとんど同じ形じゃないですか?

「ワ」と「ク」や、「ト」と「イ」だって、よく似ています。

読む時には、なんとく分かるのですが、自分で書くとなると、それらの違いがよくわかりませんでした。

小学生時代の私は、大人しくて、わりとお勉強のできる子(勉強しかできなかったとも言う…)という評価でしたから、先生にも親にも、そんなところでつまずいているとは気付かれず、なんのフォローもされないまま、単元テストを迎えてしまったわけです。

因みに、隣の席の女の子(習字を習っていて、とても字が上手でした。)が、私のつまずきに気付いてくれて、「ツの点々は縦で、シは横棒なんだよ。ワの中には○が入るように書いて、クの上の線と下の線は、同じ向きだよ。」等と言語化して教えてくれたことで、書けるようになりました。

実は、今でも「参」「修」などの漢字の斜めの3本線(?)が苦手で、しばしば反対向きに書いています…。

カタカナの「ヨ」とアルファベットの「E」も苦手で、よく間違えます。

(これは、書いてみたら、間違いに気づけます。私の書いたお便りで、「クレヨン」の字によく修正テープが貼られているのは、このためです💦)

…という具合で、なるほど、学校での学習や社会生活に、適応できる程度ではあったけれど、我ながら何か(特性?癖?)はありそうですね。

このように、一見、特別つまずくことなく成長しているように見えても、もしかしたら、その人(子ども)の「苦手」「好きじゃない」には、本人も気付いていない、何らかの理由があるのかもしれません。

幼い日の私に、隣の席の女の子がしてくれたように、その子に合った方法で、手助けをすることができたら、解決…とまでは行かなくても、困難さを軽減することはできるかもしれません。

(今にして思えば、小学校1年生で、同級生にそんなケアをしてくれた彼女、すごいですよね!)

…ただし、これ(文字の特徴を言語で説明する)は、ディスレクシアに対して比較的有効と言われる手法であり、私にとって効果的でしたが、必ずしも文字が苦手な子どもの全てに効果があるとは限りません。

何に困っているのかな?

何が解決すれば、取り組めるかな?

どんな風に伝えれば、受け取りやすいのかな?

子ども達それぞれの「あれ?」「困った!」を、愛情を持って観察し、それぞれに合った方法を見つけることで、「わかった🎵」「できた!」に変えていきたいと思っています。

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