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  • ことばの種

「おかわり持ってきたの🎵」

「おかわり持ってきたの🎵」

子どもが一生懸命伝えようとしてくれる「ことば」って、大人にとっては聞き取りづらいことがありますね。

タイトルの「おかわり持ってきたの」は、ある女の子が、朝のお支度をしながら職員に言ったことばです。

もちろん、お家からご飯のおかわりなんて持ってくるはずもなく…。

ここまでのお話でピンときた方、もしいらっしゃったら、大変鋭い!

「朝のお支度」というのが、1つのポイントでした。

朝、お家から持ってきたお荷物の中から、「お着替え」を取り出しながら…。

「ほらね、先生が持ってきてって言ってた、お着替え、ちゃんと持ってきたよ🎵」という、「できた!」の報告だったのです。

前日のやりとりや、その子が今、何をしているのか、何を見ているのかに注目すると、子どもの伝えたいことが、読み取りやすくなります。

また、小さな子どもたちは、大人と同じように「ことば」を理解しているわけではありません。

「お着替え」という語を、「お・き・が・え」という4つの音の連なりと捉え、「おかわり」とは似ていないと考えるのは、大人の認識のしかたです。

特に、文字をまだ習得していない子どもの場合、「お着替え」という語が、4つの音から成っているとか、その構成要素が「お」と「き」と「が」と「え」だとか…。

はっきりとわかっているわけではありません。

なんとなく3〜4音節くらいの長さの、「おk……」みたいな、まとまりとして捉えていることが多いです。

文字を覚えはじめの子どもが、自分の名前は読めるけど、1文字ずつのひらがなだと読めない…ということもありますね。

これも同じように、1つ1つを分解して理解しているのではなく、名前、単語を、ひとかたまりとして捉えているためです。

(このあたりの、ことばの捉え方、認識・理解のしかたについては、また別の機会に詳しくお話できればと思います。)

そう考えると、この「お着替え」と「おかわり」の言い間違え(大人の聞き間違えかも?)。

どちらも4文字であること、語頭の「お」と2音目の子音「k」までは同一であることなど、まずまず、伝えたかった語に近いことばを選べているのではないでしょうか?

1人1人の子どものことばは、丁寧に聞いていると、間違え方、聞こえ方に、こうした癖のようなものがあります。

子どもたちが何かを伝えようとしている時、前後の状況や、その子の興味・関心に注目するだけでなく、「この子は、いつもどんな風にお話ししているかな?」「この子の発達、理解は今、どのくらいかな?」ということも参考に、お話を聞くようにしています。

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