- ことばの種
「あの子と遊びたいの!」
新年度が始まってから、4か月少々。
チームのお友だちにも慣れ、一緒に遊んだり、おしゃべりや、やり取りを楽しんだりすることが増えてきました。
仲が深まると、ちょっとした気持ちの行き違いも起こるようになります。
ある時、棚から、お気に入りのおもちゃを取って、自分の席に戻ろうとしていたAちゃん。
少し背の高いBちゃんが、それを取り上げて、Aちゃんの手が届かない棚の上に置いてしまいました。
一見すると、「意地悪」に見える行動です。
…でも、Bちゃん、とても優しい表情で、反対の手はAちゃんの手を握っていました。
「そんなおもちゃより、ぼくと一緒に遊ぼうよ!」と、言いたかったのでしょうね。
お友だちと遊びたい気持ちはすてきなのですが、今回はアプローチの仕方が、ちょっと…💦でした。
日頃、温厚で愛想よしのAちゃん、珍しく「あーっ💢😠💢」と、声をあげ、Bちゃんを指差して、職員に訴えます。
Aちゃんの訴える様子と、職員の「Aちゃんのお顔見てごらん。喜んでるかな?」の声かけに、Bちゃんも、「しまった!良くないことしちゃったぞ!」と気付き、「ごめんね」と、おもちゃを返すことができました。
(別の時に、「一緒に遊んでいい?」と誘って、仲良く絵本を見ることができましたよ。)
この時の、行動そのものは、望ましいものではありません。
お家の方としては、心配の種でもあるでしょう。
ですが、子どもたちは、集団生活の中で、こうして、お友だちに怒られたり、大人に声をかけられたりすることを通じて、お友だちとのかかわり方を学んでいます。
今の、「ちょっと困った行動」は、お友だちとのより良いかかわり方を身につける、お勉強中だと捉えて、温かく見守ってほしいなと思います。
そして、こうした「ちょっと困った行動」を注意する時には、「こういう時には、~って言おうね」等、子どもにしてほしい行動を提案したいですね。
(制止するだけでない方が、わかりやすいです。それは、悪いことをしようと思っているわけではなく、その場面での、正しい振る舞い方がわからなくて、子ども自身が困っていることが多いからです。)
センターでは、子どもが「どうして、その行動をしたのかな?」「次はどうすればいいかな?」を意識して見守っています。
また、時には、子どもが「その行動(お友だちを叩いてしまう、泣いて怒る等)」をしなくてすむように、触ってはいけないものや取り合いになりそうなものを、目につかないように整理したり、絵カードなどで、予め「お約束」を伝えたりすることも、大切にしています。
そのように支援することで、子どもが伝えたかったことは何かを整理し、相手に伝わりやすい行動、ことばが分かって使えるように願っています。