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青いライオン

青いライオン

11月15日、動物の版画で有名な、愛媛県出身の画家、石村嘉成さんの映画が公開されますね。

自閉症であることを公開されており、お父様が、療育についての情報発信や啓発を精力的に行われていることでも、知られています。

公開前ですから、もちろん、私もまだ観賞はしていないのですが、石村さんにまつわるお話で、私がとても感銘を受けたことを1つ、ご紹介します。

それは、石村さんのお母様が生前語られたということばです。

「(石村さんは)誰かの助けがなければ生きていけない。だから、誰からも愛される人になってほしい」というものです。

考えてみれば、誰かの助けなしに生きられないのは、みんな同じなんですよね。

発達に課題のあるお子さんだけでなく、誰だって、誰かに助けられ、支えられて生きています。

なのに、どうして、自分だけの力で生きていけないことに、そんなにも悩まないといけないのかな?

その点、石村さんのお母様の、「愛される人に」という願いは、素敵だなと感じます。

もちろん、自分でできることは、なるべく自分で…というのは、前提だと思います。

でも、できないこと、どうしても苦手なことを、無理にがんばらせるより、周囲の人に愛され、気持ちよく手を貸してもらえることが、その子が幸せに生きることにつながる場合もあるような気がしませんか?

センターの子ども達とかかわる時、今できないことができるように、今やりたくないことに、いつか取り組めるように、今苦手なことが上手になるように…。

子ども達の「能力」の底上げも、もちろん大切にしているのですが、私がもう1つ、いわば裏の目標としているのは、実は、子ども達が「いいね❤️」と思ってもらえるスキルを身につけることです。

例えば、手伝ってほしい時に、「早くやってよ💢」と怒ったり泣いたりするよりは、「手伝って🎵」「お願い」と言う方が。

「イヤだー!」と叫ぶよりは、「今、したくないの」と言う方が。

お友だちと遊びたくて、ペチンと叩くよりは、ナデナデする方が。

他の子が持っているおもちゃを、ひったくるよりは、「かーしーて」と言える方が。

泣いているお友だちに「うるさーい!」と怒ってしまうよりは、「大丈夫?」と慰める方が。

…周囲の人から大切にしてもらえるし、多分、思いも叶いやすいんじゃないかな?

(実際、登園するなり「大好き💕」と両手でハートマークを作って笑いかけられると、もう、なんでもしてあげたくなってしまいますもの!)

自分でできることを増やすことは、とても大切です。

だけど、それは目的ではなく、その子が幸せに生きるための手段です。

できないことがあってもいいのです。

助けてもらっていいのです。

子ども達も、私たちも、みんなから愛されて、大切にしてもらって、生きていけばいいと思うのです。

今回は、映画「青いライオン」公開を前に、療育や、がんばることの意味について、私なりの考えを書いてみました。

皆さんは、この映画を観に行かれるでしょうか?

どんな風に感じられるでしょうか?

もしご覧になったら、ぜひご感想を教えてください。

今月の画像は柿の種…のつもりだったのですが、食べてみてびっくり!種のない柿だったので、柿の実そのものの写真です。柿の種は、植えればもちろん芽が出ていずれ実がなるのですが、どんなにおいしい甘柿でも、その種から育った木に実るのは、渋柿です…。不思議ですね。我が家の畑には、私が子どもの頃に、おいしく食べた後の種から育てた柿の木があるのですが、四角く平たい甘柿のような実がなりますが、とっても渋くて、おサルも食べません💦

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